本記事では「デジタルマーケティング」を定義した上で、その概念を「Webマーケティング」と比較してみたいと思います。まずは、私の考えるデジタルマーケティングの概念を定義してみます。
デジタルマーケティングとは、様々なデジタルチャネル・マーケティングデータ・テクノロジーを活用し、あらゆるステージの顧客に対してマーケティング活動を行うこと。分析や自動化などのオペレーションも含み、ときにビジネスモデル創出につながるような施策も含まれる概念。
いかがでしょうか。デジタルと顧客に関わるあらゆることがデジタルマーケティングである、という定義になっています。「デジタルマーケティング」と同じような意味で使われる「Webマーケティング」という概念と比較すると、非常に広い概念である、と考えたいと思います。
デジタルマーケティングという言葉が広く使われるようになって随分と時間が経ちました。インターネットを利用したマーケティングは、90年代から始まりましたが、「デジタルマーケティング」という言葉が使われ始めたのは意外にも遅く、2014-2015年頃だったと思います。
「インターネットマーケティング」や「ネットマーケティング」または「オンラインマーケティング」と呼ばれていた、インターネットを活用したマーケティングは、2000年代に入るといつしか「Webマーケティング」と呼ばれるようになります。当時は、SEO・リスティング広告・LPO(ランディングページ最適化)などが中心です。よって、「Webマーケティング」という言葉から想起される施策はいまだに広告やSEOの方も多いかもしれません。
2015年ごろからでしょうか。外資系ツールベンダーの方々を中心に、「デジタルマーケティング」という言葉が使われ始めます。初めて聞いたときには、英語からの直訳のような、バイリンガルの人だけが使うような、そんな違和感を感じました。そんな「デジタルマーケティング」という言葉がよく利用されるようになっていったのは、当時のトレンドの後押しもあったかもしれません。
ちょうど、iPhoneをはじめとしたスマートフォンが急激に浸透し、FacebookやTwitterなどのSNSが使われ始めた時です。これまでの、「ネット広告」「ランディングページ」「SEO」などの施策だけでなく、さまざまなデジタル上のマーケティング活動に企業が一斉に力を入れ始めていました。また、マーケティングツールがクラウド化し、マーケティングオートメーションを筆頭にさまざまなマーケティングツールが市場にで始めたころでした。インターネットを利用したマーケティングは広告とSEOだけじゃない、そんな雰囲気がデジタルマーケティングという言葉の普及に繋がったのかもしれません。