ホスティングの導入・運用でどんなトラブルが起こりうる?

サーバの構築・運用を外部に委託するホスティングを利用する企業は増えつつあります。導入前に、どんなトラブルが発生するのか把握したい企業も多いのでしょう。

この記事では、ホスティングの導入・運用上で起こりうるトラブルについて紹介します。

サーバデータの消失

ホスティングの運用により、サーバデータが消失する可能性があります。このトラブルの原因には、以下の3つが考えられます。

  • ■利用者による操作ミス
  • ■運営による操作ミス
  • ■外的要因(地震や火事によるサーバの故障など)

特に、「低価格で高機能」を謳っている業者は保守面が手薄なことがあるため、トラブルが発生する可能性が高いです。

Webサイトや顧客情報などのデータ消失は、社会的信用が失墜して企業イメージに深刻な影響を与えます。また、被害を受けた全ての金額を損害賠償請求できるわけではなく、契約時の約款で被害の上限金額など、さまざまな条件が定められています。

サーバダウンやアクセス制限

多くのユーザーが利用するホスティングサービスはアクセスが急増しやすく、また、悪意ある攻撃の対象になりやすいです。DDoS攻撃などによりサーバがダウンし、サービスの提供を受けられない事態になりかねません。

ほかにも、アクセス制限がかかるトラブルについても念頭に置きましょう。アクセス制限は情報転送量の多さなど、利用者側の原因で起こります。

サーバデータの改ざん

ホスティングサーバがハッキングされ、Webサイトなどのデータが改ざんされるトラブルが発生しています。

これにより個人情報や機密情報情報が流出してしまい、企業に多大な被害を与えかねません。Webサイトは多くの情報を発信しており、情報の不正な書き換えによって不特定多数のユーザーが不利益を被るかもしれません。

そうなると企業側は責任を問われ、大きなトラブルに発展する可能性があります。

ホスティングトラブルが起きた事例は?

実際にはどんなホスティングトラブルが起きているのでしょうか。2つの事例を紹介します。

事例1:顧客情報など数千件のデータを誤って消失

ホスティング業者の不備によりデータ消失のトラブルが発生しました。サーバの脆弱性対策実施の際、検証段階で更新プログラムの不具合に気付けなかったのです。そのため、対象サーバを指定する記述漏れにより、対象外サーバに更新プログラムの影響が及んでしまいました。

バックアップデータにもプログラムの影響が及んでしまい、数千件のデータが消失する事態を招いたのです。消失したデータは復旧が不可能であり、顧客は自社のバックアップデータを利用し、Webサイトの再構築を行っています。

事例2:不正アクセスにより数千件のサーバデータが改ざん

サーバへの不正アクセスによりサーバデータが改ざんされ、ユーザーのWebサイトに不具合が生じた事例です。悪意のある第三者が、ユーザーの管理者画面からサーバへ不正にアクセスして管理者権限を取得後、サーバ上に不正なスクリプトを設置しました。

それにより、ユーザーのWebサイトはさまざまな被害を被ったのです。今回は、サーバ側の脆弱性や設定の不備が狙われたことが原因です。

ホスティングのトラブルを未然に防ぐには?

ホスティングサービスの利用形態上、トラブルの回避は難しいため、リスクを最小限に抑えることが大切です。

リスク対策として、データ消失の事態に備え、データのバックアップをとってください。自動バックアップのサービスを提供する事業者もあります。

そして、サーバダウンなどのトラブルに迅速に対応できるよう、サポート体制の整った事業者を選びましょう。24時間365日体制なのか、サーバダウン時はどんな対応になるのか、サポートの種類や内容を精査してください。

また、どんなセキュリティ対策を実施しているのか確認しましょう。悪意ある攻撃は日々進化しているため、最新のセキュリティ対策を実施している事業者だと安心です。脆弱性を狙う攻撃が多いため、どんな脆弱性対策を行っているのか確認することをおすすめします。

ホスティングにおけるトラブルを理解し、適切な運用を!

ホスティング運用時のトラブルは以下のとおりです。

  • ■サーバデータ消失
  • ■サーバダウン
  • ■アクセス制限
  • ■サーバデータ改ざん

実際にこのようなトラブルは発生しています。しかし、バックアップを取っておくとデータを速やかに復旧することが可能です。また、サポート・セキュリティ体制が充実していて自社の規模に合う事業者を選ぶと、リスクが軽減します。

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